完全なる証明
2 journalers for this copy...
「ポアンカレ予想」どころか、このノンフィクションの主人公である「ペレルマン」という数学者について、何ひとつ知らなかった。その上数学音痴ですらあるので、ただ彼の人生(周囲への取材からの再構築ではあるが)と、スターリン粛清の時代を生き延びた数学者たちの運命について、焦点を当てて読んだ。天才とはなんとまぁ、寂しい人生を余儀なくされることであるか。100万ドルの賞金や、フィールズ賞の名誉まで拒否し、母親とひっそりと暮らす天才を想って、ひたすら切ない(究極の一般人の感想)ラストである。
読書メーターのお友だちに送ります!
無事届きますように♪♪
無事届きますように♪♪
バイオグラフィーでありつつ、当の本人グリーシャ・ペレルマンにはインタビュー出来ずに書き上げたと言うとてもユニークな作品。その分、当時のロシアの教育などを含めた状況にスポットライトを当てているとも言える。体制に立ち向かう教育者達の恩恵を受け、また彼の人生の絶妙なタイミングでロシアの政治・経済状況が大きく変わり、またまた恩恵を受け、とある意味かなり運に恵まれた人だったよう。もしもこの条件が揃っていなかったら、彼の才能は潰されていたのかもしれない。
ペレルマンが、解決法そのものでなく自分と問題との歴史に集中して語った、と言うのと同じく、私もどういう数学問題をどうやって彼が解決したかよりも、彼がそこに至るまでの彼とロシアの歴史の方が興味深かった。
ペレルマンが、解決法そのものでなく自分と問題との歴史に集中して語った、と言うのと同じく、私もどういう数学問題をどうやって彼が解決したかよりも、彼がそこに至るまでの彼とロシアの歴史の方が興味深かった。
Journal Entry 5 by imuzak12 at Polar Bear in Hiroshima / 広島市, Hiroshima-ken Japan on Sunday, September 16, 2018