ビーナスブレンド
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10年ぶりに再読。相変わらず、読むとぼうぼうと風ばかりが吹きすぎる秋の野に、急速に鎮静化して澄んでいく感情だけを抱えて一人立ちつくしているような、それでいて寂しくない気持ちになる。それは舞台が心の回転が止まった人々が最後に行き着く街だからか、それでも登場人物たちが途方に暮れながらも灯し火のような小さな希望の存在を無意識化で信じているからだろうか。アネモネの花言葉は色で違うそうで、赤「君を愛す」、白「真実、希望、期待」、ピンク「待望」、青「あなたを信じて待つ」。サイに贈られた花の色は何色だったのだろう。
楢岡陶苑内ゾーンにリリース